【桜随筆019】PRIDE OF FUKUSHIMA

平成23年(2011年)4月29日(金)昭和の日で祝日。前の週に引き続き福島県三春郡山田村地域の桜巡りをしました。

それまでいわき市にこだわって風景写真を撮っては発信していた自身の活動も、この年からは本格的に福島県全域の桜を追いかけようと決めました。そしてその活動のキャッチコピーは「PRIDE OF FUKUSHIMA 」としました。福島の誇り。あれほどの被害があった平成23年(2011年)の春。しかし福島県の桜名所は観桜客で賑わっていました。桜は日本人の心の拠り所なのだと強く実感したのです。

三春滝桜からはじめた福島県の一本桜巡り。憧れの一本桜の中で最も撮影したいと思っていた郡山市中田町の「紅枝垂地蔵桜(ベニシダレジゾウザクラ)」ですが一週間前は五分咲きでした。なかなか滝桜とセットでは難しい桜のようでした。そしてこの日はついに満開を拝むことができたのですが、その感動はいまだに目に焼き付いてます。

福島県1本桜番付表において、毎年西の横綱に君臨する名桜。桜撮影のカリスマ「写真家・竹内敏信氏」が、日本でも指折りの名桜と評したことで、アマチュアカメラマンに人気となっているようです。

妖艶という感覚が見事に当てはまる枝ぶり。自分もその怪しい魅力に憑りつかれたといっても過言ではありません。桜の下には名前の由来となっている延命地蔵堂があります。これまで300本以上の桜を撮影してきましたが、これほど妖艶というキーワードがぴったりくる桜は見たことがありません。ひときわ紅色が強い花はこの地域の桜最大の特徴であり、そしてぐねぐねと造形的に曲がった枝ぶりは、盆栽用語で「雲竜」というそうですが、まさに無数の竜がうごめいているようにも見えます。

紅枝垂地蔵桜は西を向いており、向いているというか、絵になる方向が西からの撮影という意味ですが、これによって午前中から正午ぐらいまでは、写真撮影において逆光となるロケーションです。平成24年(2012年)以降も何度か訪問していますが、この日以来なかなか青空背景での撮影ができずにおります。

我が実家には父親が観光の際に買ってきたこの桜の子供が植えられていますが、毎年美しい花を咲かせてます。

もう一本の憧れの桜。

シダレザクラの都、エドヒガン王国福島県において、ソメイヨシノの古木として異彩を放つ名桜が「小沢の桜」ではないでしょうか。桜の傍には野仏を奉った祠があり、背景に標高994mの移ヶ岳をいれて撮影すると、非常に絵になります。願いの桜として映画の重要なシーンで使われたこともあって、有名になったようです。

紅枝垂地蔵桜同様、なんとしても撮影したい桜でしたが、前週は見事につぼみ。標高が高いエリアなので、ソメイヨシノであってもいわき市と比べて開花が遅いのです。

超一級の風景美。福島県を代表する名桜の撮影は、後の茨城県一本桜巡りにおいて桜を見る目を養うという意味で非常に大きな経験となりました。

PRIDE OF FUKUSHIMA 桜巡りは平成30年(2018年)現在、訪問数100本を超えて継続中です。

茨城県の桜

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