【桜随筆021】復活の桜


 平成24年(2012年)3月、ふくしまを楽しむ大人の情報誌Mon mo(モンモ)2012春号の特集「ふるさとの桜」で、ブログいわき百景に掲載していた1枚の桜写真を使っていただきました。平成22年(2010年)いわき市内の桜巡りで出会った宝林寺のベニシダレザクラです。桜は日本人の誇りだといいますが、それをはじめて実感した桜です。筑波山を開山したことでも知られる平安時代の高僧徳一大師。宝林寺はいわき市大久町にある徳一大師創建の古刹。本堂前のシダレザクラは、磐城平藩第三代藩主であり、映画「超高速!参勤交代」で話題になった磐城湯長谷藩を立藩させたことで知られる「内藤義概」によって寄進されたと伝わっています。桜の傍の石碑には、昭和38年(1963年)にこの地区を襲った大火事が、本堂や山門などと一緒にこの桜も焼いてしまい、幹の大半を失ってしまった。しかし樹皮の一部から芽が出ていたことから、樹木医によって治療されて、花を咲かせるまで復活したとあります。裂けた幹を見て、桜とはなんて強いんだろうと感動しました。美しい地域の風景は、地域の誇りでもあるんだ。桜からそのことに気付かされました。情報誌Mon moでの特集ふるさとの桜は、東日本大震災から1年後の福島県において、大変意義のある記事だと思いました。そのようなすばらしい特集に、写真提供という形で参加できたことを光栄に思います。

茨城県の桜

常陸国一千三百年の桜史と平成の桜の記録 茨城一本桜番付 平成春場所の発表