【潮来市】観音寺の小町桜

平成27年3月撮影

茨城県潮来市 観音寺


昭和3年に発行された『老樹銘木誌』( 茨城縣山林會)に「小町櫻」という記載があります。

それが2代目で、現在のシダレザクラは3代目だと思われます。 

小野小町(おののこまち)が眼病を患い各地を流浪した際、この観音寺に百か日の参籠をし祈願したところ、全快したのでそのお礼にシダレザクラを寄進したという伝承です。

また、観音寺は当初上戸の尾ノ詰(おのづめ)という所にあったそうで、そこの地名は小野小町が住んだ「小野住」が転じたものともいわれています(潮来市ホームページより)


世代を継いで残される伝承の桜。これはとてもすばらしいことです。


平安時代、六歌仙(ろっかせん)に数えられるほどすごい歌人が小野小町。 六歌仙とは、古今和歌集の序文に記された代表的な歌人のことで、僧正遍昭、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大伴黒主の六人です。 ちなみに和歌で「桜川」を詠んだ「紀貫之(きのつらゆき)」は三十六歌仙。

平成27年3月撮影

まだ若木ですが、茅葺屋根のお堂前に咲く姿が美しいです。

平成27年3月撮影

エドヒガンの特徴のひとつ、玉のように膨らんだガク。

『老樹銘木誌』によると、筑波山にも小町櫻といわれた桜があったようです。同じ筑波山系の山を有する土浦市小野地区には、小野小町が越えたとされる峠や、お墓といわれている五輪塔が残っています。小町の里が有名です。しかし小町櫻については詳細不明です。 


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