【小美玉市】大曲(おおまがり)の桜

平成24年4月撮影

茨城県小美玉市


国道6号線の大曲(おおまがり)交差点付近から小美玉市役所付近までの約1kmに渡って続く染井吉野(ソメイヨシノ)の並木。

72本(令和2年2月18日調べ)+7本(令和2年ソメイヨシノを植樹)


満開時期もさることながら、花が散る時期、桜吹雪が圧巻です。

国道の桜並木としては類を見ないもので、小美玉市を代表する風景となっています。

昭和53年(1978年)環境美化、緑化推進運動にて植樹されました。


令和2年2月、この桜並木を植樹された方のご子息にお話しを伺いました。

昔は道路の両側に松並木が続いていたそうですが、松が枯れて倒木したりと危険だったため全て伐採されたそうです。その跡地に地元有志によって桜が植樹されたということでした。

苗木は奥様のご実家(志筑)で育てていたものを使ったそうで、美野里中学校のソメイヨシノも同時期に植えられたものとのことでした。


令和2年2月、現小美玉市長の島田さんとランチミーティングをさせていただく、とても光栄な機会がありました。

その中で小美玉市の桜について、たくさんのお話しを伺うことができましたが、市長はとても深い知識で小美玉市内の桜の履歴を把握されてらっしゃいました。

その数日後、なんと大曲の桜並木の桜が無い部分に7本のソメイヨシノが植えられていました。

確認しましたら、市長の指示で植樹されたとのことでした。

市長の決断力、行動力に感服いたしました。


今私たちが見ている桜は、昔誰かが心を込めて植えたものです。お墓に咲く墓守桜、お寺に咲く彼岸桜。学校公園の桜、そしてこういった街道の桜。そこには必ず人が関わっていて、植えた人の想いや願いが込められています。

植えた人は立派に成長した桜を観ることはできません。

そして、植えることも大事ですが、最も大事なことは「愛でる人」の存在です。観る人がいてはじめて意味があるのが里の桜です。

新しい時代となった令和の春、一歩深い観桜(かんおう)をおすすめします。

平成24年4月撮影

霧の中、朝陽が照らす桜並木

平成24年4月撮影

颯爽と駆け抜けるランナー。

平成24年4月撮影

平成24年4月撮影

江戸彼岸(エドヒガン)系のサクラは、古木になると玉のような花付きが特徴として見られます。

ソメイヨシノはエドヒガンと大島桜(オオシマザクラ)が交配して生まれた園芸品種です。

平成24年4月撮影

平成30年4月撮影

写真提供:坂野しげ子

令和2年4月撮影

次世代の桜が補植されています。

大曲の桜も年数が経って枯れてしまったりと、ところどころ桜が無い区間が目立ってきました。

そこに次世代の桜が植樹されています。

上の写真は手前のピンクの桜が「神代曙(ジンダイアケボノ)」という品種の桜です。

てんぐ巣病にかかりやすいソメイヨシノの代替樹として、日本花の会が推奨している人気の品種です。

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

写真提供:坂野しげ子

ジンダイアケボノの花。

この絶妙な薄紅色。素晴らしいです。

令和2年4月撮影

令和2年2月に小美玉市長によって植樹されたソメイヨシノの苗木。

なんと、早速花を咲かせていました。

令和2年4月撮影

まるで親子のような風景。

数十年後、見事な景観となることでしょう。

令和3年3月撮影



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