【石岡市】真光寺の寄り木

樹種:榧、桜、楓の寄り木

幹周:3.85m

樹高:15m

樹齢:500年

所在:新治郡瓦會村大字部原

所有者:真光寺

由緒:此の寄木は榧の母體へ、櫻と楓が成長したものである。榧は高さ三米より枝葉を北へ拡げ、櫻は真直ぐに約十五米伸び、楓はそれよりも低い。

『茨城縣巨樹老木誌 下巻』(関右馬允・昭和15年)


平成30年7月撮影

「寄り木」とはいわゆる宿り木です。ひとつの木に別の木が寄生しているものをいいます。 

この「真光寺の寄り木」の主体となっている榧(カヤ)の木は当時で樹齢500年といわれており、そこに桜と楓が寄生する大変珍しい寄り木です。 

今から約100年前に、関右馬允(せきうまのじょう)さんによって撮影された写真資料を元にこの木を探しました。  真光寺は石岡市部原地区にありますが、現在の地図GoogleMapsには載っていません。そのため探索が難航しましたが、なんとか見つけることができました。 

平成30年7月撮影

この森の中に真光寺はありました。

平成30年7月撮影

境内は檀家さん達によって維持管理されており、お坊さんは近くの広福院(石岡市東成井)にて担当しているとの事でした。 気温35度という猛暑の中でしたが、森の中なので少し冷んやりとした空気が印象的でした。ただ、蚊が多かったので虫除けスプレー無しでは厳しいです。

 

境内に入ると目の前に大きな榧の木がありました。支柱によって守られています。 残念ながら寄生していたはずの桜や楓の木はありません。きっと枯れてしまったのでしょう。 榧の木も幹が裂けていてかろうじて生きている状態です。 よく考えれば関右馬允さん撮影の樹木で今も現存しているのは珍しいので、榧の木だけでもよく生きていてくれました。 

平成30年7月撮影

私も関右馬允さんが撮影した構図で撮影しました。100年前ここで関右馬允さんが撮影されたことを思い、ちょっと感動しました。 

平成30年7月撮影

その後本堂を参拝しましたが、左手に別の寄り木がありました。 

平成30年7月撮影

本堂の裏手も最近修復されてますし、境内は綺麗に掃除されていて、地区の方々の信仰心を感じました。 確かにここに存在した大正昭和の名桜。 記録として残しておきたいと思います。

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