【桜川市】御領天神山桜

平成30年4月撮影

茨城県桜川市


御領天神旗櫻(ごりょうてんじんのはたざくら)

旗櫻

幹周:四米〇三(一三尺三)

樹高:二五米

樹齢:二〇〇年

由緒:此の土地は御領天神の祭典に使用さるる由で、傍に十二尺四寸と十一尺六寸の二股の老櫻がある。

『茨城懸巨樹老木誌』(関右馬允・昭和15年)


集落西方の地、御領とは国や幕府の直支配のことであり、この地内には古くから天満宮が祭られ、春の天神祭りには着飾ったお針娘たちで、昔は相当なにぎわいであったと伝えられる。  そして境内には、約三十年前までは、それは見事な山桜の巨樹があって、遠くからも眺められたということである。

『いわせものがたり』(古山孝・昭和63年)


御領天神旗桜の跡地に後継樹でもないかと捜し歩いた結果、ご近所の聞き込みで小さなお社とヤマザクラの存在を知ることができました。近所にお住いの初老にお話を伺いました。『いわせものがたり』にある通り、昔は遠くからでも満開の花を見ることができたそうで、天神様の桜は有名だったそうです。なぜ旗桜という名前なのか?これは、雄しべの一部が花びらになる「旗弁」というものが出ていたからではないかと推測できます。

現在の桜がその代を継ぐものなのかは定かではありませんが「旗弁」は確認できませんでした。しかし今でもこうして天神様がお社に祀られており、その目の前に咲くこのヤマザクラは、意味なく咲いているとは考えられません。花にも特徴があり、学術面でもなんの系統なのか調べてみる価値があると思います。旗が確認できなかったことから、現在の桜は「御領天神山桜」としました。

平成30年4月撮影

平成30年4月撮影

平成30年4月撮影

平成30年4月撮影


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