【かすみがうら市】下大津の桜

令和2年3月撮影

茨城県かすみがうら市 下大津公民館

幹周:4.5m

樹齢:約120年

指定:市指定天然記念物


茨城県で最古級のソメイヨシノ。

平成27年にはじめて観てから毎年訪ねています。ソメイヨシノの一本桜として、県内最古木候補であり、平成30年には市の天然記念物に指定されました。

保存会のみなさんによる日頃の保護活動とお祭りの開催。平成時代最後の目玉として下大津の桜の存在感は特別です。様々な観点から評価を加えて選別した『茨城一本桜番付 平成春場所』(平成31年4月30日付)では、ソメイヨシノとして最上位の「西前頭筆頭」とさせていただきました。


令和2年3月、桜が満開の日に雪が降りました。そしてライトアップ。なかなか拝めない光景に朝と夜の二度訪問して撮影しました。


下大津小学校が開校した翌年の明治37年(1904年)に、当時の5年生が「樹齢5,6年のソメイヨシノ」を加茂小学校の跡地から担いで運んで移植したという口伝が残っているそうです。土浦市真鍋小学校の桜が明治40年(1907年)の植樹ですから、それよりも古いことになります。また、昭和31年(1956年)の『出島広報』には下大津小学校の記事の中で、「樹齢70余年近在に誇る老樹」の記載があります。後に下大津小学校は道路を挟んだ向かい側に移転します。

※下大津小学校は平成28年3月に廃校となり、美並小学校、牛渡小学校、宍倉小学校とともに統合して霞ヶ浦南小学校(かすみがうら市深谷3660-1)になりました。


平成26年、積雪の重量により主幹上部の大枝・西側大枝が欠損

平成28年、公益財団法人日本花の会による調査を実施

平成29年、3月に支柱を設置し天狗巣病及び枯れ枝を切除

平成29年、下大津のサクラ保存会が設立される

平成30年、4月11日かすみがうら市天然記念物に指定される


平成31年1月、下大津の桜保存会の来栖先生、小松﨑樹木医と桜談義をしました。

お2人の桜への温かい想いをお聞きすることができましたので、ぜひ下記対談記事をご覧ください。

令和2年3月撮影

ライトアップによって浮かび上がった満開の桜。自然にできた枝ぶりですが、この左右均等にならない構図で眺めるのが好きです。

令和2年3月撮影

幹の太さが際立つ方向から。

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

旧校庭にぽつんと咲く桜だけあってこの存在感は格別です。

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

マジックアワーが終わり、闇に覆われた桜。

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

写真提供:定松園・小松﨑定男さん(樹木医・かすみがうら市)

かすみがうら市、茨城県南エリアにおいてソメイヨシノが満開の時期に雪が積もることなど、数十年に一度あるかないかのことでしょう。

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

下大津の桜保存会・定松園・小松﨑樹木医。

桜を観に来る方々のために雪の中現地に待機されてらっしゃいました。

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

新しく建てられた天然記念物の説明板。

令和2年3月撮影

令和2年3月撮影

令和2年4月撮影

令和2年4月撮影

令和2年4月撮影

令和2年4月撮影

こちらが正面構図として自分なりにベストショットだと思います。

令和2年4月撮影

令和2年4月撮影

令和2年4月撮影

令和2年4月撮影

写真提供:下大津の桜保存会・木村樹木医

平成29年4月撮影

平成27年4月撮影

平成29年4月撮影

下大津の桜は天然記念物に指定された他にも何本かあります。

どの桜もすごく太いので同年代のものと推定できます。

写真提供:下大津の桜保存会・木村樹木医

中でもこのフェンス脇の桜が樹観が見事だと思います。

令和2年3月撮影

雪が降る中で撮影。

令和2年4月撮影

一足先に散り始めたフェンス脇の桜。

平成29年4月撮影

平成27年4月撮影

写真提供:下大津の桜保存会・木村樹木医

こちらは交番裏の桜です。これも太く味のある枝ぶりです。

平成27年4月撮影

ツタが絡まっていますが、この後下大津のサクラ保存会によって除去されました。

平成27年4月撮影

花付きも非常に良いです。

平成29年4月撮影

写真提供:下大津の桜保存会・木村樹木医

こちらは道路沿いの桜。蔵との組み合わせが絵になります。

平成29年4月撮影

令和2年3月撮影

3月1日、かすみがうら市あじさい館で企画されていた桜の講演会ですが、新型コロナウイルスの予防的観点から中止となりました。それでも桜を一目見たいとたくさんの方が会場にいらっしゃってくれまして、小松﨑樹木医、木村樹木医が現地で解説をしてくださいました。

令和2年3月撮影

朽ちていく幹の後釜となる枝を育てるため、不定根誘導という技術で取り組むとのこと。

令和2年3月撮影

小松﨑樹木医、下大津の桜にかける熱い想いが伝わってきます。

令和2年4月撮影

写真提供:定松園・小松﨑定男さん(樹木医・かすみがうら市)

正統なる後継樹が植樹されました。

令和2年4月撮影

写真提供:定松園・小松﨑定男さん(樹木医・かすみがうら市)

木村樹木医と小松﨑樹木医によって、不定根誘導のための処置がなされました。

令和2年4月撮影

写真提供:定松園・小松﨑定男さん(樹木医・かすみがうら市)

令和2年4月撮影 

写真提供:定松園・小松﨑定男さん(樹木医・かすみがうら市)

3年後のお楽しみとのことです。守り継がれていく名桜。茨城県の桜史最前線です。

令和3年3月撮影

令和3年3月撮影

令和3年3月撮影

令和3年3月撮影

令和3年3月撮影

フェンス脇の桜も見事です。

令和3年3月撮影

令和4年2月撮影

令和4年4月撮影

写真提供:定松園・小松﨑定男さん(樹木医・かすみがうら市)

令和4年4月撮影

写真提供:下大津の桜保存会・来栖丈治さん(かすみがうら市)

こちらも同年代の桜です。主幹はありませんが不定根とひこばえによって再生しています。

令和4年4月撮影

写真提供:下大津の桜保存会・来栖丈治さん(かすみがうら市)

さらにこちらも同年代の桜です。

令和4年5月撮影


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