【常陸太田市】七反の枝垂れ桜
平成29年4月撮影
茨城県常陸太田市
県指定天然記念物
樹齢350年、幹周4.8m
枝垂櫻
幹周4.12m
樹高11m
樹齢450年
久慈郡小里村里川字七反
小中、佐川氏
『茨城懸巨樹老木誌 上巻』(関右馬允・昭和11年)
樹齢、幹周ともに県下最大級のシダレザクラとして『茨城桜見立番付』(昭和58年・川上千尋)では、シダレザクラ部門で東の横綱とされています。
昭和初期に関右馬允先生によって撮影された写真を見ると、とんでもないサイズであったことがわかります。
この場所は真言宗普賢院の跡地とされていて、ここでも仏教とヒガンザクラの関係を見ることができます。
ところが昭和の中頃には樹勢が衰えてしまっていたようで、原因として臨家の火災により幹の西側が損傷したことや強風、春の大雪によって枯枝が折れたり、また幹には人が入れるほどの大きな洞(空洞)ができてしまっていたそうです。
平成元年に有名な樹木医の山野忠彦先生(日本樹木医保護協会)によって大規模な樹勢回復作業が行われました。
当時はまだまだ樹木の保存における数百万円という予算は厳しい時代でしたが、熱意ある地元の方々の想いがそれを決行したのです。
桜の周りに足場を組んで、枯枝の除去、こけの除去、洞(空洞)を塞ぎ、幹の外科治療、枯根の除去、支柱の設置が行われました。
以上の詳細は『里美の巨樹・古木』(里美村教育委員会)に詳しく書かれておりますが、「後世に素晴らしい財産を継承する」という理念の元で行われたこの樹勢回復作業は、茨城県の桜史継承におけるお手本のような出来事であると思います。
七反のシダレザクラの樹勢回復作業がうまくいったため、里美村ではその後も「泉福寺のシダレザクラ(県指定天然記念物)」や「小室家のヤマザクラ(市指定天然記念物」と樹勢回復作業が進んだようです。
どの桜も平成31年現在、見事な花を咲かせています。
平成29年4月撮影
平成29年4月撮影
平成29年4月撮影
子孫樹も育っているようです。
平成29年4月撮影
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