【行方市】円勝寺の山桜

平成25年3月撮影

茨城県行方市 円勝寺


『茨城桜見立番付』(昭和58年・川上千尋)にて、西の前頭筆頭となっている巨桜で、推定樹齢は300年、幹周りは5m近いヤマザクラ。

※現在の樹観ではありません。平成29年に伐採されています。


お寺に伐採した理由を尋ねてみましたが、傾いて成長した幹が隣の建物や観音様に接触してしまっていること、幹も虫食いが進んでいたことから平成29年の春、花の咲く前に切ってしまったとのことでした。 

私が満開時に撮影したのは平成25年です。 とにかく記録という意味で、平成時代に咲いたヤマザクラの名樹を撮影しておいて良かったと思います。

伐採された幹の断面を見ると、内部が朽ち始めて空洞化が進んでいるような具合が確認できます。 

これほどの太い幹でも、弱ってくると重い枝を支えきれず、台風などで一気に倒れかねません。 苦渋の決断だったのでしょう。 

ただ、ひこばえによる再生を促す切り方、もしくは代継ぎ樹の植樹などがされていたらと思うと残念でなりません。  

平成25年3月撮影

平成25年3月撮影

平成31年1月撮影

平成25年3月撮影

平成31年1月撮影

山門が文化財ですが、こちらは最近銅板葺きに修復されました。 

桜の伐採と茅葺屋根の廃止。 なんとなく、時代が変わる。そんな印象を強く受けた円勝寺訪問でした。

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