【桜談義005】渡邉雄司さん、大川奈奈さん

写真提供:サクラサク里プロジェクト


令和2年1月18日、岩瀬中央公民館

第2回山桜を楽しむワークショップにて

前半はサクラサク里プロジェクト代表渡邉さんの講演が行われました。

後半は座談会という形で私も参加させていただき、地域おこし協力隊の大川さんや来場者様も交えて桜談義が交わされました。

その様子をレポートします。

※一部読みやすいように会話を書き直ししています。


司会田中栄作:

それでは後半に移りたいと思います。前半の渡邉さんの講演では勉強になるお話、はじめて聞くようなお話まで色々教えていただきました。今年のお花見はまた違った見方ができるのではないかなと思っています。

後半はサクラマニアな方がもうお二方いらっしゃっておりますので、三人で桜川のぶっちゃけトークじゃないんですけど、座談会のようなことをしていただこうと思います。

紹介させていただきます。

桜川市地域おこし協力隊で今年三年目の大川奈奈さんと、こちら画面にも映っておりますが、茨城県の桜の番付を作っている坂野秀司さんです。


大川奈奈:

2018年に一度茨城県の桜ということで真壁伝承館の方でこちら坂野さんに講演をしていただきました。その時来ていただいた方々にお手紙を書いたので今日も来ていただいていると思うんですけども、こういったことを通しながら桜に興味をもっていただき、保全活動とか色んな形で、ただ見るだけじゃなくて、それを一緒にやっているという、桜川市が盛り上がってくる、こういう世界をみなさんと一緒に創っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。


坂野秀司:

みなさんはじめまして。茨城県の桜の古木の番付表を、毎年勝手ながら発表させていただいておりまして、その活動の中で大川さんと出会って桜の講演をさせていただきました。

自己紹介の時に恐縮なんですが、こちら渡邉さんは茨城県で一番の桜人です。これは大袈裟ではなくて物凄い方なんです。昔桜川が忘れ去られようとしていた時代に石倉翠葉(いしくらすいよう)という方が『櫻川事蹟考』という文献を発表し、桜川をもう一度世に復活させたすごい方がいらっしゃいます。磯部桜川公園に行くと、石倉翠葉さんの石碑などが見れますが、間違いなくこちら渡邉さんという方は、昭和平成令和時代の石倉翠葉さんだと思います。憧れの方であり、そしてサクラサク里プロジェクトを立ち上げた時からブログにずっと活動の履歴を更新されており、今も読むことができる状態で、それを私は2周ほど全文を読ませてもらってます。今日は本当にこのような憧れの方と同席できるのは嬉しいことでございます。どうもありがとうございます。


桜の愛で方について

司会田中栄作:

みなさんそれぞれ立場があると思うんですけど、今日のテーマである「愛で方」について、大川さんの方からなにかございますか?


大川奈奈:

実は私は雄司さん(渡邉さん)の講演を今日はじめて聞いたんですけど、本当にたくさんのことを勉強させていただいて、今年の桜が楽しみなんですが、私の場合はごく最近ですし、女性なので「かわいい」とか「綺麗ね」というやはりビジュアルから入っていく愛で方をしています。それこそ桜の名所という所はいっぱい行きたいんですが、この桜川の桜は本当に素晴らしいところなので、住民の方がこれはプライドというか、凄いんだよと思っていかないと、外の人には伝わっていかないので、まずは桜川市民がこのヤマザクラが大好きになる、愛で方上手になって、みんなで発信していけたらいいなと思います。ちょっと地域おこし協力隊としての使命もありますので、これを全国的にもあるいは世界にも発信していける桜川市になってほしい。そういう愛で方でPRできると考えています。


司会田中栄作:

大川さんは埼玉ですよね。外部の方なのでやっぱり桜川のことをフレッシュな目でみると違いますね。


写真提供:サクラサク里プロジェクト


大川奈奈:

そう、歴史もあるし本当に里山が素晴らしいんです。私は都会が好きで、高層ビルの上にいるのが好きで、夜景を見るのが好きで、という人だったんですが、でも里山も大好きで、都会の人ってやっぱりそういう安らぎだったり景色に癒されて帰っていくんですね。それはもっと知ってもらわないことにはこっちに来てもらえないので、その受け入れ態勢を作っていくということが大事。でもそこにただ来るだけだとやっぱり物足りないので、美味しいものを食べる所があるとか、このお土産買っていったら待っている人に喜ばれるかなみたいなそういう商品開発をしていく、そういう所を今後私としてはやっていきたいかなと思っています。


一言で桜とは・・・?

坂野秀司:

これを是非渡邉さんにお聞きしたいのですが、核心を聞いちゃっていいですか?渡邉さんは長い事桜の活動をされてきているわけですが、一言で桜とはなんなんでしょうか?今どこにたどり着いていますかというのをお聞きしたいです(笑)


渡邉雄司:

なんでしょうね。やっぱり日本人の心に備わっているというか、ずっと平安の昔から桜を好きで来た、その理由みたいなものが肌で感じられるようになってきて、ヤマザクラを見ていると本当に日本人の心に響くものがすごくあるなっていうのが、ずっと活動してきて達したというよりも熱中していったのはそこなんだと思います。これは持って生れたものなのかな、日本人のもつ心なのかなというところを感じ取れるのがヤマザクラなのかなと。そんなところかな。


坂野秀司:

私は自分でこれが言いたかったんですけど(笑)私はいまのところ茨城県内で780ヶ所の桜を捕捉しています。その中で辿り着いた今現在の到達点を考えたんですね。桜とは「思いやりの極み」昨年までは慈しみの心って表現していたんですがもっと簡単にして思いやりの極みです。結局桜って誰かが植えて誰かが守ってと、次の代の桜が植えられたり、時代を越えて、時を越えて愛され続けていくという、お墓に植わっている桜も誰かが植えているわけで、その植えた方の気持ちってどうだったんだろうなというのを想像してみると、多分色々な気持ちがあって、それを総合すると思いやりというか、人を思う心が込められていると思うんですね。思いやりは目には見えないですけど、もし目に見えたらどういうものなんだろうという答えが桜の木なんじゃないかなと、今はこの観点にたどり着いている状態です。代を継ぐというのがすごく好きで、美しいと思いますね。


大事にすべきはなにか?

渡邉雄司:

実は桜川が名勝に指定されたというのは、先ほどの外の地域(吉野・小金井など)と比べても規模的に小さいし、なんであの一角だけなのに名勝なのかなというところがあると思うんですね。吉野のような壮大な景観でもないし、元は神社の参道だけです。その参道だけでなんで名勝になったのかというと、実はその時に調査に来られた三好学博士が報告書に書いているんですけど、本当に学術的にも貴重で美しい関東を代表するヤマザクラの集積地だと。ここに綺麗な桜が集まっているというこで名勝指定されたんです。この桜を大事にしなければいけない地域固有の桜ですね。ヤマザクラは変異がありますけど地域地域で特性があってその土地に応じた特徴を持ったものが咲くんですけど、実は不用意に磯部の名勝指定地にもソメイヨシノやオオシマザクラを公園造成地に補植してしまったんですね。みなさん覚えている方もいらっしゃると思いますが、ヤマザクラでは寂しいのでソメイヨシノをたくさん植えて「最近見られるようになったよ」みたいな話だったんです。で、ソメイヨシノとオオシマザクラを植えたおかげで何が起こるかというと、今全国で起こっている遺伝子汚染というのがありまして、交配によってソメイヨシノやオオシマザクラの遺伝子が接見されてしまう地域が結構あるんです。磯部桜川公園を調べたところ、ヤマザクラの数は500本をきっているんですが、その中でも120本ほどがオオシマザクラとの交配種ができてしまってまして、貴重な大事にしなければならない美しいヤマザクラをどんどん失ってしまっているんですね。だから私はできる限り、園芸品種を植えるなというのは、決して園芸品種を馬鹿にしているわけではなくて、そういった地域の大事な桜がどんどん失われてしまうことになるので、ソメイヨシノが綺麗だとしても、「うちの大事にしていく桜はこれなんだ、これを残さなきゃいけないんだ」ということでそういうのは植えないようにしよう、できれば切っちゃった方がいいという気持ちでいるんですね。ここをちょっとみなさんにお伝えしたいなと、そういうことが起きているんだということですね。大事にすべきは何か?ということをちょっとお話したかったんです。


大川奈奈:

やっぱりこういう渡邉さんのような方、ちゃんとした見識のもとに景観づくりだったり守るということはすごく大事だと思うんですよね。軽率になにか、木ってずっと残っていくものなので、やっぱり知識がないと良いものって作れないと思っていて、それをちゃんと桜川市民として学ぶことは大事だと思うんです。名勝指定されているところは特別区として、他の所、例えば雨引観音さんの桜もそれはそれで良いし、要所要所の特徴があって、桜川市全体がヤマザクラの場所だったりヤエザクラの場所だったりっていう特徴を持たせて、遊びに来る方が楽しめるような市になっていったらいいと思うんですけど、その辺のメリハリを是非計画していただいて皆さんがわかるように示していただきたいと思うんですけど、市への要望です(笑)


写真提供:サクラサク里プロジェクト


坂野秀司:

これもひとつの核心部なんですが(笑)

やはり桜川市はヤマザクラ課という部署を設けて、渡邉さんを筆頭に活動なされて二年ぐらいでしょうか。という中で、とはいえ園芸品種が植えられているお寺や公園も桜川市の中にいっぱい存在していて、有名な場所も結構ありますよね。そこはヤマザクラ課さんとしてはどう捉えてらっしますか。やはり今の大川さんのような捉え方でいいでしょうか?


一千年の歴史はお金で買えない大切なもの
拠りどころだけは絶対に守る

渡邉雄司:

全然、それに規制をかけるというか、ヤマザクラしか植えてはいけないということではなくて、やっぱり桜川にとって、例えば色々な桜の名所になったとしても、裏付けというか、なぜ桜川が桜の街なのかということをいったときに、この名勝であるとか天然記念物、紀貫之の時代から桜の名所として知られていたというものがないと、単なる、どこでもできる桜の街づくりになってしまうんですね。いっぱい植えればいいやという。でもこれはお金で買えないものであって、どこもそういうストーリーが欲しい、ただ桜を植えただけで綺麗な桜山はできるかも知れませんけど、そこに歴史とか、お金では買えない価値を持っているというのは大事なことなので、ここだけは大切にしていきたい、それがあっての園芸品種や花見山だと思うんですね。だから私はどちらかといえばそこを守っていくことで、他に対してヤマザクラがどうのということはなくて、拠りどころだけは絶対に守っていこうということで活動しています。


大川奈奈:

さくら市には桜マイスター制度というのがあって、桜守というか桜に関与している人達のネットワーク作りをやっているんですね。新しい市だからこそ、そういうのをやろうという気運が高まっているんです。そこで言われたことは、「桜川市さん良いですね」って。今雄司さん(渡邉さん)がおっしゃった歴史がある。これはお金をいくら出しても買えないんですよね。だからこれを大切にしながら桜を保全していく活動をみんなでやりたいなとすごく思います。大事に守っていきたいです。


磯部桜川は親

坂野秀司:

その歴史の件でこれはお話しておかなければと思います。

私は水戸桜川千本桜プロジェクトという団体に所属しています。

江戸時代に徳川光圀公、水戸黄門が磯部桜川のヤマザクラを水戸城下を流れる箕川という川のほとりに移植をしてその地域一帯を「佐久良川」と名付けたんですね。それが巡り巡ってその川が桜川という川の名前になるんですね。こんな近くに大きな川で二本も桜川という川があるのは、徳川光圀公が磯部のヤマザクラの威厳、紀貫之から続くその歴史的な凄い桜を移植したからなんですね。

水戸桜川千本桜プロジェクトからすると磯部桜川は親です。先ほど渡邉さんの講演の中で小金井桜とか北上展勝地が桜川の子孫であるというお話がありましたが、うちも子供のひとりという部分です。光圀公が当初定めた佐久良川の場所というのは荒れてしまっていて桜が植わっていませんでした。そこに光圀公由来のヤマザクラを桜川磯部稲村神社で種を拾わせていただいて、それを水戸の見川の地で苗木に育てて植樹をしているという団体です。

実は来月プロジェクトの例会があるんですが、渡邉さんにゲスト講師として来ていただくことになっています、その節はよろしくお願いします。


写真提供:サクラサク里プロジェクト


大川奈奈:

どうでしょうか、会場のみなさんに今日の感想を聞いてみましょうか?

マイクまわしていただいて、なにか質問とか感想があれば。


来場者A様:

貴重な講演をありがとうございました。それから色々な画像も見せていただいて大変参考になりました。私は源氏桜が好きなんですが、このいわれみたいなものを教えていただければと思っています。


渡邉雄司:

これは先ほど申し上げました三好学博士が、史跡名勝天然記念物の調査委員として調査に来られて、本当に気になった所には何度も調査に入って、他にもあるんですけれど、名前を付けていくんですね、これは貴重だなと思うものに。それらは『櫻花図譜』(大正10年・三好学)に掲載してあるものなんです。なので源氏桜は三好学博士がつけているんです。特徴で付けているのか、大和桜なんていうのがあったりしますが、なかなかそこは私も全部理解はしていないところですけども、博士が付けていかれた名前です。


若い世代とのつながり

来場者B様:

残念だなと思うことが、この講習に若い人がいないんですよ。せっかく年代を繋ごうというのに、小中高といった若い人がいないんですよね。もうちょっと何かいい方法がないのかなというのが第一声です。若い人との交流の場もこういった場で作っていただけたら有難いなと思います。

実はこの講習を聴く前に桜川市で自然保護活動の指導みたいな教育がありまして、その第一期生に参加させてもらいました。その第一回目が磯部の桜のボランティアです。その時に渡邉さん、磯部宮司さんにお会いしました。ボランティアで参加して思うことが、自然からみて桜ってどうなんだろうと。自然と人とは共存共栄しなくてはだめなんだよという趣旨なんですが、果たしてどうなのかなということを今疑問に思いつつ、自然の中からボランティア教育をしていくのはどうかな、矛盾した行為が交差しているんです。人間的には磯部さん、渡邉さんを尊敬しています、一番私たちを面倒見てくれたのが磯部さん、渡邉さんなんです。笑いながら優しく見守ってくれて私たち素人に説明するんです桜のことを、そして感謝されるんです。ああ磯部って良い所なのか、こんなこともやっているんだ。そういった心みたいな事を学ばせてくれたのが、磯部さんと渡邉さんです。共存共栄の中で一番象徴たるものが桜じゃないかなと思います。人間が手を加えればそれなりに恩恵をくれる、でも人間が一旦離すと枯れてしまう、無くなってしまう。これは木や自然全体に言えることかもしれませんが、たまたまそういったことに気づかされたものが桜だったと思います。自然の中での桜というものに対してちょっと興味を引かれつつあるというのが今現在の気持ちです。


渡邉雄司:

若い子ということですが、サクラサク里プロジェクトでは岩瀬小学校にですね、小学六年生の総合的な学習の時間ということで、一年間を通して桜川についてガイド講師をやらせてもらってます。それの延長で今はですね、桜川市では全学校でヤマザクラに関わっていこうということで、小学三年生にまず種を拾ってもらってそれを育てて、卒業するときに育てた苗木を記念植樹という形でやっていこうということで、これまで全小学校終わったんですけど、来年度から同時に全十校あるんですけど、そこでヤマザクラを育てる活動をしていきます。その時に桜川の桜についてのお話もさせてもらっています。

岩瀬小学校でいうと実はもう最初の子は大学生か大学を卒業するくらいになってきましたが、その時の授業が元になって、桜川市内の地域資源について調べているとか、卒業論文に桜川の桜について書きたいので色々教えてくださいという子がいるとか、少しずつでもやってきたことが若い人にも伝わっているのかなとは思います。まさにうち(サクラサク里プロジェクト)も後継者がいないので、新しい人が増えないのが悩みです。


坂野秀司:

この桜の講演や活動をしていて感じる最大のテーマがまさに若い方がなかなか桜に興味を示さないというか、私も桜の活動をする方ではまだまだ若手で、今44歳なんですがそれでも若いといわれるんですね。なので今の小学校の活動のお話は凄いことだなと思います。あと水戸桜川千本桜プロジェクトでは大学生のユースチームとか高校生が活動してくれてますが、なかなか一般会員の若い人が増えていかない部分があります。

私なんかは写真が武器なので、インスタ映えというかSNSで拡散をさせて若い人に興味を持ってもらいたいなということをやっていますがこれもなかなか難しいです。


大川奈奈:

入口を若い人用になにか考えなくちゃいけないかな。インスタ映えもそうですけど、「かわいい!」っていうところから入ってもらうとか、何かアイデアを。親がやっていてそこに子供がついてくるとか、おじいちゃんおばあちゃんがやっててとか。興味を持ってもらうように工夫することが大切ですね。それは地域おこし協力隊としても努力していきたいと思います。


ヤマザクラの見分け方

来場者C様:

二回目の参加なんですが、ヤマザクラと一般の桜がどこが違うのか、一番のポイントを教えていただけますか、どこがソメイヨシノと違うのか、子供たちに教えるのに、私たちも知らないんです。山に咲いているのがヤマザクラだと思っていたので。平地で咲いているというか、磯部神社、磯部公園でもヤマザクラが咲いているでしょう?


渡邉雄司:

パッと見てすぐわかるのは、葉っぱも一緒に出てきちゃうことですね。カスミザクラとかでない限りヤマザクラは比較的赤っぽい葉が多い、それが一緒に出ていれば、そして花が一重であればほぼヤマザクラかなと思います。

磯部公園のヤマザクラはあそこはそもそも山林だったんですね、だから自生していたものもあったと思います。ただ今はもう全て名勝指定当時の桜のほとんどは枯れて無くなっていますので、後に補植されたものばかりということで、今の状態が良くないこともあって、そんなに古木とか巨木が無い状態です。


坂野秀司:

今のご質問は、ヤマザクラというとそれって山に咲いている桜だよね?っていう部分もあると思いますが、町に咲いているのになんでヤマザクラっていうのかって言いますと、山に咲いてようが何だろうがヤマザクラという品種なんですね。でその品種を里に持ってきて人が植えているということなんです。鳥が山で桜の実を食べて里でフンをするということもありますが、公園とか神社のヤマザクラというのは人間が植えているわけです。山に咲いている桜にはエドヒガンザクラとかカスミザクラとか天然の桜があるんですが、その中のヤマザクラという品種が磯部に植わっているということなんですね。

で古木の話ですが、昔吉野山からヤマザクラを持ってきて、天皇がお住まいになった京都御所の紫宸殿前に植えたんです。これが左近の桜でおそらく日本で一番古い一本桜なんですが、ヤマザクラというのは天皇家そのものであって、神様そのもの、神道と深いつながりがあるんですね。なので神社にはヤマザクラを植えるという風習が何百年も前から続いているんです。茨城県の古木を巡っていくと、ヤマザクラの古木は神社に多いです。それは神道、信仰心との結びつきもあって御神木にされてきたからなんですね。桜の神様というのはコノハナノサクヤヒメといってこれも神道の神様ですね。


来場者D様:

桜の木、花が咲いている時はいいんですが、花が咲いていないときはどうやって見分けるといいのいかってことなんですが、枝というか木を見るとわかるということを聞いたことがあるんですが?それについて教えていただきたいと思います。


渡邉雄司:

木を見て判断するのはなかなか難しいですが、エドヒガンだけは明確に木を見るだけでわかります。桜の木って幹がだいたい横に割れて筋が入るのですが、エドヒガンは縦に割れるんですね。桜の木で縦割れしているものがあればエドヒガンと思って間違いないと思います。ソメイヨシノとかヤマザクラを見分けるっていうのは葉っぱがあれば見分けられます。葉っぱの縁のギザギザとか形に特徴があるので、そこを覚えれば見分けられます。もう一つソメイヨシノだけは非常に見分けやすい特徴があって、幹に生えている本当に短い枝からも開花してしまうんですね。こういう桜はあまり自然の中にはなくて、それだけ生命力が強いんでしょうけども、そういった幹に枝が出て花芽があるようなものはソメイヨシノと見てもらえるとわかりやすいかなと思います。


お国自慢

主催タナカヤ様:

渡邉さんありがとうございました。渡邉さんの桜に対する愛情と知識の深さに感動しております。今日は大学受験が始まりましたね。さっき渡邉さんからお話があった通り、岩瀬小学校の授業を受けた子供たちが論文を書いたりそういう時代になったというのが凄いなと思うのですが、私も桜川市出身で東京の街に出た時に、はじめてのサークル活動とかでお国自慢をするんですね。北海道出身の〇〇です。京都出身の〇〇です。じゃあなたは?私茨城県の岩瀬町からきた田中と申しますが、何にもないところが特徴です。(笑)これ笑うようですが、今でもそういった人が多いと思うんですね。それは何故かっていうと私たち大人が桜川市、町に対する愛情とか自慢とかを真剣に考えてこなかった裏返しが子供たちにきているのかなと反省をしています。ちなみ渡邉さん、坂野さんに聞きたいんですけど、お国自慢、桜自慢をするとしたら一言でどんなふうに言うのかを教えてください。


渡邉雄司:

まさにそれを最初から思って学校でもやってきてですね、みんな地域好きか?っていうと、あまり好きな子がいないとか。でもなにか桜川市で自慢できることがあるかといえば、実はいっぱいあるんですよね。やはり誰が聞いても「あ、あそこか」といわれるような場所にしたいなって、そのための地域資源で桜があるので、なかなか時間はかかるでしょうけど、桜川の桜がもう一度復活して全国に知れ渡るようになれば、「桜川から来ました」と言っただけで、「あの桜の」と言ってもらえるような町にしたいと思って活動をずっとしております。吉野と並んで古い歴史を持つような桜があるんですよということで、お伝えするぐらいなのかなと自分ではそれぐらいですね。


坂野秀司:

私は桜が好きなので、桜の歴史を学べば学ぶほど、小美玉市から見るとものすごく桜川市っていうのは羨ましいんですよ。小美玉には千年もの桜の歴史はないので。やはり歴史を知るっていうのが、誇りを生むことにつながって、その誇りがあれば自然と外に向けて声が出るのではないかなと、多分京都の方なんかは誇りがあるから外に言うと思いますし、北海道もそうだと思います。内側の心の中に誇りをもってもらう意味では、歴史を学んでもらうというのが一番近道ではないかなと思います。


司会田中:

今日はこうやってみなさんでお話できてとてもよかったです。本日はありがとうございました。


以上です。

イベントを主催してくださったタナカヤ様(ジュエリーマーノ様)、司会の田中栄作さん、ありがとうございました。


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