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【結城市】結城農場桜見本園

平成30年4月撮影 10品種の桜が一斉に開花する「十色桜の並木」(といろざくら)茨城県結城市 日本花の会結城農場 桜見本園桜見本園は園芸品種を中心に350品種が咲く、まさに桜の楽園。桜は日本に野生する10種類の天然品種を中心として、それらを交配させて多くの園芸品種が作られてきました。桜見本園はこれらの品種を系統ごとに分けて植栽されています。早咲き品種から春・秋、二季咲き品種まで3月から5月上旬、8月下旬から12月までの約8ヶ月に渡って様々な桜の花を見ることができます。八重桜(ヤエザクラ)は園芸品種となりますが、実は奈良時代からその記録は残っています。室町時代あたりからは品種改良が盛んになり、江戸時代には大名庭園に自慢のヤエザクラが咲いているという状況でした。桜は交配を繰り返すと見た目が豪華になっていくという習性があるそうで、今私たちが見れる園芸品種は、私たちの先祖が長い年月をかけて作り上げてきた傑作というわけです。また荒川堤の五色桜に代表されるように、それらを守り受け継いできた歴史も見逃せません。この受け継ぎがなければ、絶滅していた品種がたくさんあります。 園芸品種は種から子孫を残せません。もし種から育てても違う遺伝子を持った桜が生まれてしまうのです。そこで接ぎ木や挿し木という手法を用いて、同じ遺伝子をもつ桜を増やします。 今の日本はソメイヨシノ一辺倒の時代から脱却して、様々な品種を植えていく方向に進んでいます。これは花期が長くなるという意味もありますが、ひとつの品種だけを植えておくと、病害虫などの被害にさらされるリスクが高いので、それらを回避するメリットもあります。(例えばある一ヶ所の桜並木の全個体が単一クローンの場合、突然変異以外に新しい耐性を獲得する可能性がありません。)逆に、こういった園芸品種をたくさん見ればみるほど、天然品種である「ヤマザクラ」の魅力にも気付かされます。茨城県では「桜川」に代表される貴重なヤマザクラがあり、それらは全て遺伝子が異なり、個性があるのです。単なるお花見から、花を愛でる「観桜」へ。日本花の会の結城農場は、日本の桜の今があり、これまでの桜を受け継ぎ、未来へ贈るという、その一大拠点です。植物のプロフェッショナルが育てた桜が並ぶ桜見本園。開園時間は平日10:00~15:00ですが、春は土日祝日も一般公開されます。※八重桜が満開となる時期に撮影していますが、桜見本園には当然ながら八重桜以外の桜もたくさんあります。※桜は根が浅いので根もとを踏まれると弱ってしまいます。根もとから少し離れて観賞しましょう。